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社労士は転職に有利?体験談から見る成功へのポイント

私は社労士資格で中小企業の(従業員100~300人程度の規模)総務職として採用されました。

総務職といっても上記規模の中小企業ですので、人事・総務・労務・法務・経理等といった、いわゆるバックオフィス部門を全て統括しているセクションです。

このセクションは広く浅いという業務ですので、社労士の専門性をそこまで活かすことはできません。

専門性を活かすという意味では、大企業の人事職や社労士事務所等のコンサルタント会社が良いと思いますが、これらの職種で採用された経験はありませんので、ご了承下さい。

社労士資格が転職で役だったエピソード

就職して、すぐに労災保険料の節約に取り組み、これによって労災保険料を年間で30万円程度削減することに成功しました。

内容は製造業の会社なのですが、事務所と工場が近接しており、(事務所と工場で住所が違います)通常は工場と事務所はそれぞれが一つの事業所として独立して、違う労災保険料率を乗じて労災保険料を算出しなければならないところを、事務所にも工場と同じ労災保険料率を乗じて労災保険料を納めていました。

(工場は労災が事務所よりも多発する可能性があるので、事務所より高い労災保険料率が設定されています)

これを別々に分けて、工場の労災保険料率は5.5/1000、同じく事務所の労災保険料率5.5/1000を正規の3/1000に変更する手続を行いました。

事務所と工場が近接していても、住所が違っていれば、それぞれを独立した事業所として、別々の業種として労災保険料率を適用することができる。

もちろんこれは事務所と工場のように事業所によって違う業種である必要があります。

そして、社労士資格の知識があればこそできた仕事だと思っています。

面接でのアピールのしかた

面接官によっては社労士資格を嫌がる方もいらっしゃいます。

これは面接を担当する方はほとんどが会社側の人間であるため、社労士の労働法等の知識がかえって会社にとって不利益となることを危惧しているのではないかと思います。

そこで、面接では経営者、会社にとって、自分はこんなことができます、というアピールの方が良いと思います。

中でも、上記のような合法的な経費削減案は喜ばれます。

社労士資格は会社側にとって役立ってなんぼ、引いては労働者側の皆さまにも役に立つ、こんな立ち位置が理想だと考えます。

資格取得の為に得た知識を机上の空論ではなく、今度は現実の実務に使っていくことが大切です。

現在、勉強中の方でしたら、この知識はこんなことに使えるなと想像しながら、勉強すると楽しいかもしれませんね。

また、資格に精通した仕事がしたいアピールは当然ですが、それに固辞せず、さまざまなことを経験していきたいとうアピールも大切です。

人事だけに限らず、総務、経理といった仕事も積極的に携わっていくというアピールは良い印象に映ると思います。

ただし、これは私が中小企業の面接で感じた経験ですので、大企業の面接ではまた違ったことになると思いますので、その点ご留意ください。

そして、資格を取得に至ったエピソードもアピールになるかもしれません。

当然、資格を取得したということは、動機があるはずです。

ちなみに私の場合は、大学を卒業してから、約1年半アルバイトをしながら試験勉強をしていました。

資格を取得した動機は大学時代にアルバイトしていたマスコミ業界の3K(きつい、汚い、給料安い)労働を経験して、正社員や契約社員や派遣社員といった労働形態があることに疑問を感じ、労働法を勉強してみたいと思い、一念発起して社労士試験に挑戦することになりました。

そして、資格を取得した際は、経営者と労働者の間に立つサポーター役となれる人事部門の社労士になりたいと思っていました。

これは私の面接時でのほんの一例ですが、動機はとても重要です。

資格を取得した後に何がしたいかを明確にしておかないと、資格を取得することそのものが目的となってしまいます。

資格はあくまで手段であって、目的ではありません。

最後にアピールポイントを要約すると、

  • 労働者側でなく、経営者側にとって自分はこんなことができるというアピール
  • 法律に則った経費削減案は大きなアピールポイント
  • 資格にこだわらず、さまざまなことに挑戦したいという姿勢をアピール
  • 資格取得の動機をPR。独立の為とかは絶対にNG!つまり、資格は手段であって、自分はこんなことがしたいという目的をアピール。それが会社の為になることが大切です。

転職を成功させるために努力したこと

私の見通しでは、転職の成功率は50%です。

その為、失敗した転職についてはとことん原因を分析しました。

次は社労士事務所に就職して失敗した時の自身の分析評です。

大きく分けて3つあります。

【1】自分のキャリアの研究不足

(原因と結果)
調査不足の中にも関わらず、社労士事務所へ飛び込んでいった結果、今回のような事務所という特異な雰囲気に馴染めない、全く自分の力が生かせない、社労士事務所は賃金が安く、金銭的な見通しが甘く、生活がままならなくなってしまうという状況に陥ってしまいました。

(対 策)
社労士を目指すことになった頃から、独立を目指す力をつけていこうと思っていたことは間違ってないと思います。

(当初は独立を目指していました)しかし、思うことと実践することは180度違うと思い知らされました。

結局、自分が思う独立というのは、社会的立場や金銭的苦労を投げ打ってでも独立したいというものではなく、老後にゆとりのある時間の中で、趣味的なものとして独立したいというものであったということです。

それまでは、家族を守ることを第一として、企業マンとして仕事をしていかなければならないと猛省しました。

もちろん、独立できるだけのスキルを身に付けていくこと自体は間違いではないと今でも思うので、スキルはこれからも磨いていこうと思います。

それは、最後に頼れるのは会社ではなく、自分だと思うからです。

会社ができることは、自分ができることだと思うからです。

しかし、会社員である以上は会社に貢献していくことが義務となります。

そのために私は、会社に貢献して社会に貢献する。

そんな企業マンになりたいと思います。

【2】自分のキャリアの研究不足

(原因と結果)
人事・総務・経理の経験を積んできた力を生かして、社労士事務所という専門職の世界に飛び込みましたが、これまでのキャリアが全く生かせないという事態に陥りました。

それは、自分は広く浅くの力を遂行する能力を身に付けてきた結果、専門職という一つの分野を遂行していく能力がないことに気付かされました。

企業人としての慣習が自分に染みついていたということも原因だと思います。

私にとって総合職から専門職へのキャリアチェンジは厳しかったのではないかと思います。

(対 策)
やはり、これまでの経験を活かせる職種への転換が一番の近道だと思います。

私は社労士の有資格者ではありますが、その分野に特化した仕事ばかりをしてきたわけではなく、企業の間接部門である、人事・総務・経理というセクションをすべて経験し、職務能力を高めてきました。

これを一人で遂行する能力が私にはありますので、このキャリアを生かせる企業の間接部門が私の居場所だと思います。

【3】転職先の環境に馴染めなかった

(原因と結果)
これには運の要素が非常に強いと思います。

転職というのは、やはり転職してみないとわからないと思うのです。

転職したが、合わなかった、何が合わなかったのか、

①労働契約時に聞かされていなかった賃金控除
入社してみると、社内コンパの費用や、社員旅行の積立金等、給与からの天引きがありました。

妻と子供を抱える私にとって、このような自分が望んでもいない勝手な賃金控除は、厳しく、納得できないものがありました。

②個人事務所特有の独裁色
すべてのことが所長中心に動くという事務所特有のやり方が組織として機能しているのか疑問に思い、雰囲気が合わないということにつながったと思います。

これはすべて結果ということになりますが、結局は調査不足が大きな原因を占めて、後は、転職してみるまではわからないという運の要素が大きいと思います。

(対 策)
この転職失敗の経験を無駄にしたくありません。

このことを素直に受け止めて、この経験があったからこそ、やっぱり自分は企業の管理部門で働きたいと思いました。

専門性を求めていたが、本当は自分の能力を活かすことができる職場ならどこでも良かったのです。

やりがいよりもまず家族を養うことのできる収入、次にやりがい、そこで成長できるかどうか。

人間関係は運。

こればかりは入社してみないとわかりません。

こんな失敗を省みることをとことん突き詰めました。

これから社労士資格を活かして、転職される皆さんのお役に少しでも役立てれば幸いです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。