簿記2級は仕訳を覚えることが合格のポイントになります
簿記2級の難易度は、ここ数年で一気に上がりました。
独学の勉強でも簡単に合格できた時代もありましたが、最近の傾向としてはしっかりと対策をしなければ合格が難しいです。
特に苦手分野があると、あと1問正解で合格だったのに・・・といった失敗の原因になっていまします。
簿記2級は全体を満遍なく勉強することが重要ですが、その中でも特に仕訳を理解することは大事になります。
仕訳をしっかりと理解することで、簿記2級の合格率を上げることができます。
簿記2級合格で仕訳が大事な理由
仕訳は取引を行った時に一番初めに記録する部分です。
これができないと簿記がはじまらないという根本的な理由もさることながら、正確な仕訳が出来なければ正確な転記が出来ず、正確な転記が出来なければ正確な勘定記入ができず・・・というように簿記というシステム上、仕訳の間違いは全ての間違いに影響し最終的には貸借対照表や損益計算書のミスに直結します。
面倒ごとを呼び起こす張本人であると同時に簿記を習ううえでは最後の拠り所となりえるのが仕訳です。
処理を間違った貸借対照表や損益計算書から正確な貸借対照表や損益計算書を作るといった試験問題がまさに該当します。
このような問題は「簿記のプロセスを完璧に理解しているか」という部分をみており、その仕訳まで戻る必要がない時も勿論ありますが、最初の部分である仕訳までさかのぼる場合も充分あります。
この処理ならこの仕訳のはずだからこのように転記されこのように勘定記入されるはず!と思えるくらい自信を持っていないと簿記2級の仕訳の問題は解けません。
つまり、プロセスの正確性の最終担保を仕訳が担っているわけです。
これが仕訳が最後の拠り所たる所以です。
正確な仕訳ができることが簿記の問題を解く上で最後のよりどころになりえる事例があることを肝に銘じていてください。
正確な仕訳は必ず貴方を助け、誤った仕訳はあなたから確実に試験時間と点数を奪っていくでしょう。
簿記2級クラスの試験では人によって時間の勝負になりえます。
簿記2級の仕訳は独学でも覚えられる
仕訳の重要性は理解できたかと思いますが、仕訳は面倒…とりあえず本に書いてある通りにやってもいまいちピンとこない…等あるかと思います。
私も一時期は単語帳にわざわざ、借方給与/現金貸方、借方売掛金/売上貸方・・・といった「仕訳そのもの」を形として覚えようと単語帳を作り努力をしていた時期がありました。
ですが、やってみて思ったのは大変非効率であると同時になにより単純な暗記は嫌気がさします。
独学の最大の敵はいつだって自分なのです。
自分が嫌と思ってしまえば情けない話ですが結局やりません。
ですからまず、どうしたら自分は嫌な思いがしないかについて考えました。
答えを出すのに苦労はしますが、結局のところ単語帳による暗記の仕方と「行った作業に対する自分のパフォーマンスの悪さが露呈する」これら2つが嫌だったんですね。
なので、まずは何が嫌なのか?を真剣に考えてみてください。
それがわかると実は暗記は好きなのに、紙にかくのが嫌だったとか、ご自身の何かしらの特性がわかるはずです。
そもそも論ですが、本当に覚えることが嫌いならば私たちはこんなに覚えて話したりすることはできないのですから。
貴方の特性にのっとり仕訳を覚えてみてください。
私は思考錯誤の結果、覚える量よりも考えたりその勘定科目について調べてるうちに、簿記2級の仕訳に関することを覚えていくことができました。
後から分かったのですが、自分から学ぶために調べるという作業は、アクティブラーニングという大変覚えるのに役立つ手法の一つなのだそうです。
自分の嫌なことを知る事と並行して、是非勘定科目を調べるという作業をしてみてください。
遠回りかもしれませんが、必ず役に立ちます。
簿記2級の仕訳の勉強法
仕訳の勉強方法は大まかに2つあります。
エクセルで家計簿を簿記形式で作ってみる
一つはエクセルで家計簿を簿記形式で作ってみる。
2つ目はネットや書籍で仕訳問題を見つけて沢山解く方法。
これら2つについて説明すると、まず、エクセル家計簿の具体例としては、
- x年x月x日 借方 水道光熱費MMMM円/ 貸方 現金 MMMM円
- x年x月x日 借方 現金MMMM円/ 貸方 売上(家族が家にお金を入れてくれた分) MMMM円
といった具合でとにかくレシートから仕訳を沢山していきました。
次にこれを参考書などを参考にしながら元帳に転記をします。
これを実際に作ると大まかな簿記のプロセスを理解できると同時に同じような仕訳が増えてくるのでいつの間にか手が勝手に覚えている部分がありました。
俗にいう身体が覚えたといった感じでしょうか。
ネットや書籍で仕訳問題を見つけて沢山解く方法
2つ目はネットや書籍で仕訳問題を見つけて沢山解く方法です。
これはシンプルに物量で勝負する方法論です。
書籍やインターネットで仕訳問題に沢山出会いそれを一つ一つ解いていくということです。
インターネットは無料ですし、探せばすぐ出てきますので手軽なのですが、一番初めに手を出すべきは書籍です。
それはなぜかというと答えが必ず正解だからです。
当たり前かもしれませんがネットの答えは間違っている可能性もあるわけです。
学んでいる最中の答えは自分でも不安になります。
これ、答えが間違っているんじゃない?けど、自分のミスのせいかも…などといった、状況は余計なストレスになりかねませんので、初めは書籍次にある程度慣れたらインターネットで探してみる。
といった具合で進めるとスムーズかと思います。
どうしても簿記2級の仕訳が覚えられないとき
ここまでやって覚えられないならば、方法は一つです。
それは、勘定科目の「属性」と、「属性の仕訳ルール」を覚えることです。
結局覚えるんじゃないかと思うかと思いますが、覚える量は大変少なくそのわりにほぼすべての仕訳に対応可能です。
私からの経験上これを覚えないのは大変損ですので、是非ここで覚えてみてください。
まず、勘定科目の「属性」についてですがこれはまず勘定科目には資産・負債・資本(純資産)・収益・費用という5つの属性が存在します。
なんとなくピンとこない方はトランプの絵柄みたいなものだと思ってください。
資産はスペード、負債はハート、資本(純資産)はジョーカー、収益はダイヤ、費用はクローバーとでもいいましょうか。
世の中の勘定ほぼすべてがこれらのどれかに該当しそれぞれの属性にそったルールが存在するんですね。
それが先述した「属性の仕訳ルール」となります。
まずは、それぞれの属性の定義についてです。
ものすごく大雑把な表現になりますが、このような形になります。
資産…一言で言って泥棒が盗みたい物。
具体的には現金や土地、将来お金などを得るための権利等。
負債…皆がもってると嫌がるもの。
具体的には借金や将来何かを渡すためのもの。
資本(純資産)…資産と負債に該当しないもの。
収益…企業活動によって生み出された成果のこと。
基本的は売上が該当します。
費用…収益を得るために一時的に支払ったもの。
具体的には~費や~損失って勘定科目にかいてあるもの。
そして「属性の仕訳ルール」は下記になります。
- 資産…資産属性の科目は借方で増えて、貸方で減ったことを意味する
- 負債…負債属性の科目は借方で減って、貸方で増えることを意味する
- 資本(純資産)…資本(純資産)属性の科目は借方で減って、貸方で増えることを意味する
- 収益…収益属性の科目は借方で減って、貸方で増えたことを意味します
- 費用…費用属性の科目は借方で増えて、貸方で減ったことを意味します
仕訳を形で一つ一つ覚えるのも悪くはないですが、大変労力がかかりそれでも覚えきれるかどうかはわかりません。
なのでまずは属性を覚えて、次に属性のルールを覚えてしまい、例外があったならそれを埋めていくといった方法論が仕訳を完璧にするうえでの一番の近道なのではないかなと思っています。
覚えることが難しいのは皆基本的には同じですので少しでも楽をしつつ自分の負担を減らすのが独学では大切かとおもいますので自分を大事にした方法論を探してみてはいかがでしょうか。
簿記2級は着実に勉強をすることで合格できる
初めて勉強するには難しい簿記2級ですが、仕訳を理解することで合格率は確実に上がります。
もちろん仕訳以外にも覚えることは多いですが、一つ一つ理解していくことで誰にでも合格できる資格です。
合格できない人は、勉強時間の確保や勉強のやり方を見直してみてください。
正しい勉強法で対策をすれば、簿記2級の合格はそこまで難しいものではありません。
簿記2級の勉強法については、簿記2級の独学勉強法も参考にして下さい。